rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年3月9日 「2023年科学技術賞授与式」開催を報道

 

 3月8日付け「労働新聞」は、標記授与式が3月7日、人民文化宮殿において、全乗国内閣副総理、崔東明党部長、李忠吉国家科学技術委委員長らの出席の下、開催されたことを報じる記事を掲載した。

 同記事によると、同授与式においては、100余名が2・16科学技術賞証書、20余名が科学技術革新賞証書を、5名が2023年最優秀発明家賞をそれぞれ授与され、7名が2023年国家最優秀科学者・技術者に選定されたという。

 このうち国家最優秀科学者、技術者に選定された7名については、3月6日付け本ブログで紹介済みであるので、ここでは最優秀発明家賞を授与された5名を紹介したい(氏名は音訳)。

  • 大同江蓄電池工場・金成哲技師長
  • 平壌建築大学建築科学研究所・元成林室長
  • 平壌医療器具技術社・金仁哲社長
  • 長子江燃油販売所・李明華所長
  • 平壌医科大学健康増進技術開発所・金革所長

 本筋から離れる議論だが、この機会に指摘しておきたいことは、3番目の「平壌医療器具技術社・金仁哲社長」の「社長」という肩書である。北朝鮮の企業所の責任者は、基本的には「支配人」であり、商店やサービス施設(分野は違うが、そのほか農場)などでは「経理」という肩書が多用されているが、「社長」というのは、比較的珍しい。

 しかし、卑見の限りでは、ニュース映像で、各種の研究機関などに付属して設けられた情報関連等の企業体とおぼしき単位の責任者に限って、「社長」との肩書を用いている例がいくつかあった。この「平壌医療器具技術社」も、それに類する単位と思われる。まったくの推測であるが、研究機関などからのスピンオフ企業について、独特の企業形態を認め、「社長」と称しているのではないだろうか。