rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年7月16日 金予正がまた宣伝ビラ非難の談話を発表

 

 本日、朝鮮中央通信は、韓国からの宣伝ビラ散布を非難する金予正副部長の談話を報じた。その骨子は、次のとおりである。

  • 「7月16日の未明と午前、わが国南の国境と一部の縦深地帯で大韓民国の人間のくずが飛ばした大型風船29個がまたもや発見された」
  • 「(ビラ対応のため)当該区域が封鎖されていることに関連して人民の不便が増大している」
  • 「厳重に警告する。凄惨であっけに取られる代償を覚悟すべきであろう。韓国の人間のくずの幼稚で汚らわしい行為が続く場合、我々の対応方式の変化が余儀なくされるであろう」

 金予正の韓国からの宣伝ビラ散布に関する談話発表は、14日に続くものである。14日の談話では、宣伝ビラへの対応に関する事柄が諸々示されたが、今次談話でも、こうした宣伝ビラ発見に際し当該地域が「封鎖」されることが示されたことは興味深い。北朝鮮当局が宣伝ビラに対してどれだけ神経を使っているかがうかがわれる。

 前回談話と異なる今次談話の特徴は、今後の「対応方式の変化」による「凄惨であっけに取られる代償」に言及し、従来のような「汚物風船」散布を超える対抗策を示唆していることである。

 ただし、本当に強硬策に出た場合には、韓国側による軍事分界線付近での宣伝放送本格再開などの対抗策も予想されるところであり、実際に何かをやろうとしているのか、あるいは、単なる「警告」なのかが注目される。