2024年7月29日 金正恩の水害現場視察状況を報道
本日の「労働新聞」は、金正恩が7月28日、平安北道新義州市と義州郡の水害現場を視察したことを報じる記事を掲載した。その骨子は、次のとおりである。
- 同行者等:趙勇元、朴泰成の両秘書が同行、朴正天秘書と国防相をはじめとする人民軍指揮官が出迎え
- 被害状況:「北部国境地帯と中国側地域に記録的な豪雨が降って鴨緑江の水位が危険ラインをはるかに超えたことで、平安北道の新義州市と義州郡の複数の島の地域で5000人余りの住民が浸水危険区域に孤立する重大な危機が造成」
- 避難者救出を指導:「水が氾濫する険しい道を走って救助戦闘が展開されている飛行基地に到着・・10余機に及ぶヘリコプターがおよそ20余回ずつ連続的に往復飛行して不利な天気の条件と緊急な状況で住民を救出する姿を全期間見守り、戦闘を直接指導」、「4200人余りの住民を成功裏に無事に救助した飛行士らの労をねぎらい・・救助戦闘の驚くべき功績を高く評価」
- 復旧活動等の徹底を指示:「新義州市と義州郡をはじめ平安北道と慈江道、両江道の鴨緑江沿岸にある一部の郡内の地域を特級災害非常地域として宣布し、・・各級機関が人員と機材を総動員して被害防止および復旧活動に奮い立つことで被害を早く克服し、生産および生活秩序を正常の水準に回復させなければならないと述べ、そのための重大措置を取ると述べた」
- 関連機関の怠慢を叱責:「水害防止対策を全く立てずついに災難的な状況を招いてしまった当該の国家機関と地方の幹部らの職務怠慢行為を厳しく叱責」、「7月22日には国家非常危機対策委員会会議も招集されたが、どうしていまだに自然災害防止活動が行われていないのか分からない」、「郡非常災害危機対応指揮組と社会安全省は災害危険地域の住民数さえまともに掌握できなくて救助活動の際、一時混乱を来たした・・と厳しく叱責」
同記事には、金正恩が飛行場で避難者が往来する中、ヘリコプターの発着状況を見守る姿や整列したヘリコプター・パイロットらと握手する姿、半ば水没した地帯を走行する車両の窓から周囲を見渡す姿などの添付写真が多数添付されている。
これで、金正恩の自然災害の被災地救援に関した「人民愛」の物語がまた一つ生まれたことになる。関係者の怠慢叱責も恒例化の感を否めない。
ちなみに、金正恩の発言中にある7月22日の国家非常危機対策委員会会議は、画像会議方式で開催され、金徳訓総理と全現哲党秘書が指導したと報じられている(23日付け「労働新聞」)。現場での批判の矛先は、社会安全部に向かったようだが、金徳訓総理は大丈夫か、「前科」があるだけに心配になる。