rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月15日 ①軍人大量昇格日の「謎」解明。 ②消えた金与正?

 

 去る5月24日に報じられた、党中央軍事委員会第7期第4回会議(23日開催と推定)において、将官級軍人の大量昇格が決定された。

 北朝鮮においては、従前、こうした昇格人事は、金日成金正日の誕生記念日などの「名節」に際して行われるのが恒例となっており、その意味で、このときの昇格人事は、時期的に異例なものととらえていた。

 しかし、たまたま昨日読んだ『金正恩の機密ファイル』(城内康伸)という本によると、金正恩の実母・高ヨンヒの命日は「2004年5月24日」とされているという(ちなみに、誕生日は、1952年6月26日)。

 これを踏まえると、今次の昇格人事は、この命日に際して実施されたと考えられる。高ヨンヒに対する称賛活動は、同書にも指摘されているとおり、これまでのところ表立った形では差し控えられているが、このような形で、いわば隠然と進められているのは興味深いことである。

 なお、話は変わるが、13日開催の政治局会議の状況を伝えるニュース映像を見た限りでは、政治局メンバーの着席している前から1~2列目に、金与正の姿が認められない。なお、顔は識別できないが(やや違うような印象もあるが)、4列目に女性の姿があり、あるいは、これが金与正かもしれない。仮にそうだとすると、序列的には70~80番目くらいに位置付けられていることになる(ちなみに、玄松月宣伝扇動部副部長は5列目、今次会議で政治局候補委員に選出された朴明順は3列目に着席)。これは、どうしたことだろうか。またもや政治局メンバーからはずされたのであろうか。今後の出現動向が大いに注目される。