rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月3日 金徳訓総理が江原道の洪水被害復旧状況を現地了解

 

 標記記事は、金徳訓総理が江原道金華郡、平康郡の洪水被害復旧状況を現地で了解したことを報じるもの。一昨日、李炳哲、朴奉柱及びその他の党副委員長らが各地の「台風被害復旧事業を指導」したと報じたのから一転、再び従前の「現地了解」の表現に戻ったことが注目される。

 ただ、このような表現の変化については、「復旧状況」の場合は「了解」し、「復旧事業」の場合は「指導」するということで使い分けているともいえよう。現に、8月7日付けの金正恩の洪水被害状況視察報道及び8月28日付けの台風被害状況視察報道に関しても、「指導」ではなく、「了解」との表現が用いられていた。

 とはいえ、「状況を了解」と「事業を指導」の場合の実際の行動に違いがあるのかといえば、それはないと考えられる。前者の表現を用いた場合も、状況を見て回るだけではなく、何らかの指導を行っているのが実情であろう。しかも、最高領導者以外の幹部の行動について「指導」の表現を用いるのは、やはり「極めて異例」としかいいようがないことであり、今後、どのような使われ方をしていくのかを注視する必要があろう。

 なお、台風関連については、この記事のほか、「繰り返される自然の狂乱から人民の生命財産を守り、人民生活を安定向上させよう」との共通題目の下、各地の取組みを紹介する記事がいくつか掲載されている。ただし、これまでに掲載の記事は、主に台風8号の被害の復旧及び今後の被害防止対策に関するものであったが、今朝の北朝鮮国内のテレビ報道によると、江原道の元山市内は洪水が発生しているとのことで、台風9号の影響は今日が山場とみられる。更に、それよりも強力な台風10号の到来も予測されており、北朝鮮国内への影響は予断を許さない厳しいものがあると考えられる。