rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月27日 朴奉柱が「協議会を指導」と報道

 

 最高指導者以外の個別幹部の動向報道において、「指導」との表現が用いられる(9月1日付け・李炳哲、朴奉柱、その他党副委員長の被害復旧事業指導報道及び9月5日付け・金才竜党副委員長の台風による人命被害に関する会議指導報道)のは極めて異例であることについては、既に紹介したとおりであるが、その後、そのような報道振りは影を潜めていた。

 しかし、朴奉柱副委員長が「人民経済諸部門を現地了解」したことを報じた本日の記事は、題目及び本文の最初の部分では「現地了解」との表現を用いる一方、「南興青年化学連合企業所の生産及び設備管理状況を了解し、炭素ハナ化学工業創設のための対象工事を促進するための関係部門幹部協議会を指導した」として、部分的にではあるが「指導」の表現を用いている。

 なお、同記事が報じた朴奉柱の訪問先は、それ以外に順川セメント連合企業所、銀波郡大青里住宅建設現場があり、それら箇所での動向については「・・・について言及」など、高官の「現地了解」の際の恒例的表現を用いており、「指導」の表現は用いられていない。

 報道におけるこうした「指導」表現の「揺らぎ」がどのような基準なり考え方に基づくものなのかについては、これまでのところ皆目見当がつかづ、今後の推移を見守るしかないのが実情である。

 ただ、こうした高官(当初は総理のみ)の個別動向を報道すること自体、2010年前後に起きた新事象である。当時も、何故、そういう報道がなされるのか関心がもたれたが結局はっきりした理由は解明できないまま、近年では、総理以外の特定の高官(崔竜海、朴奉柱)の行動も同様に報じられるに至った経緯がある。今回の「指導」表現の使用も、そうした大きな流れの中でとらえるべきかもしれない。