rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月10日 共和国創建記念日関連動向

 

 9月9日は、朝鮮民主主義人民共和国政府の創建記念日(1948年)である。それに関連して、同日、市民らによる金日成金正日銅像への献花や党・政府要人らによる大聖山革命烈士陵などへの花輪進呈などの活動があったことが報じられている。また、昨日(9日)の「労働新聞」には、「我が共和国を偉大な人民の国として限りなく輝かしていこう」と題する記念社説や関連記事が多数掲載されていた。ただ慶祝大会の開催などに関する報道はない。今年は、72周年と言うことでいわゆる「節目の年」には当たらず、この程度の取組みにとどめられたのであろう。

 とはいえ、同じ社会主義国で「党が国家を指導する」ことを原則とする中国でも、建国記念日(10月10日、国慶節)のほうが党創建記念日(7月23日、このブログ記事を書くため調べて初めて知った)よりも重視されている印象がある。後者に重きを置くのは、北朝鮮の特徴といえるのではないだろうか。

 なお、「花輪進呈」に関し「党・政府幹部」として名前を報じられたのは、金才竜(党副委員長)、李日愌(同・宣伝扇動部長)、金英哲(同・対南担当)、太炯哲(最高人民会議常任委副委員長)、金日哲(内閣副総理・国家計画委員長)、任哲雄(内閣副総理)、李龍男(同)、金英愌(平壌市党委員長)である(氏名は音訳含む)。このうち、太炯哲までの4人は政治局委員、以下の4人は同候補委員と思われる。また、金日哲、李龍男らは更迭の可能性を指摘されていたが、少なくとも現時点での健在が確認されたことになる。