rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月10日 「第1首都党員師団、咸鏡南道被害復旧現地に到着、戦闘に進入」

 

 標記記事は、8日に平壌を出発したことが報じられていた第1、第2首都党員師団のうち、第1首都党員師団が9日、咸鏡南道の被災地に到着したことを伝えるものである。同師団隊員らは、列車から下車後、現地住民の歓迎を受けつつ被災地まで行進、「背嚢を下すや否や、新たに建設される住宅の敷地に対する地帯整理作業に一斉に進入した」とされる。金正恩の「10月10日までに住宅、道路、鉄路を復旧」との指示を受けて、住宅建設を最優先していることがうかがえる。北朝鮮の平素の鉄道事情を勘案すると、平壌出発翌日の咸鏡南道到着は順調な滑り出しといえよう。ただ、重機や建設資材などがどの程度到着しているのかは定かでなく、作業の本格化にはもう少し時間がかかるのではないだろうか。

 なお、同師団は、平壌市内の各「区域」(日本の「区」に相当)を単位とする大隊で編成されている模様である(その他に大規模企業所・機関などを単位とした大隊も想定できるが)。

 一方、第2首都党員師団については報道がない。おそらく咸鏡北道を目指しているのであろうが、平壌からは遠方に当たるため、9日現在で到着できていないのであろう。

 なお、同日付け「労働新聞」は、冒頭に「一心団結の威力で被害復旧全域で勝利の凱歌を」と題する政論を掲載、首都党員師団の派遣を契機とした全国民の「一心団結」の強化と奮起を改めて強調している。