rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月9日 「首都党員師団」が咸鏡南北道に向け出発

 

 台風被害復旧のため、金正恩の呼びかけを受けて編制された「首都党員師団」が8日、咸鏡南北道の被災地に向け、鉄道、バスなどに分乗、党幹部及び平壌市民の見送りを受けて出発したことが報じられた。そこで使用される機資材なども別途貨車で発送されたという。

 また、それに先立ち、錦繍山太陽宮殿前広場で、同師団隊員らによる「平壌市決起大会」が開催された。同大会には、党副委員長の金才竜、李日愌、崔輝平壌市の党委員長、人民委員会委員長らも出席、李日愌(宣伝扇動部長)による「報告」のほか、「金正恩同志に捧げる宣誓文」採択、第1、第2の各首都師団旗の授与などが行われた。なお、「報告」は、長文にわたるもので、その全文が別途紙面に掲載されている。

 更に大会後には、首都師団隊員たちが市街行進を行ったことも報じられている。

 なお、両「首都師団」の隊員数について、6日の本ブログでは、金正恩の書簡の表現(「首都の優秀な核心党員1万2,000人で咸鏡南北道に各々急派する最精鋭首都党員師団(複数)を組織する・・」)とあったことから、各師団1万2,000人と解釈(誤解)してそのように記したが、上掲の「決起大会」に関する記事を通じて、両師団合わせて1万2,000人であることが示された。ここでお詫びして訂正しておきたい。

 被災地では、救援労力の到着を首を長くして待っていると思われるが、「首都党員師団」の出発に先立ち、以上のように大会のみならず市街行進まで行ったことは、その編成・派遣に宣伝的要素が相当込められていることを改めて示すものといえよう。