rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月13日 各地の被害復旧活動を報道

 

 本日も、標記に関し、多くの記事が掲載されている。

 まず、「首都党員師団の闘争ニュース 党の信頼、人民の期待を抱いて熾烈な徹夜戦を展開」との共通題目の下で、第1、第2の各首都党員師団の活動が報じられている。

 第1首都党員師団については、「住宅基礎コンクリート打設に進入 利原郡鶴砂台(音訳)里被害復旧戦闘場で」と題する記事で、「(同地の)各大隊では、地帯整理と住宅基礎工事を競争的に行いつつ、骨材とブロック確保をはじめ住宅建設を早く終わらせるための立体戦を積極的に展開している」ことが紹介されている。なお、同地に投入されている部隊としては、「平川区域大隊」「恩情区域大隊」「順安区域大隊」「江南郡大隊」の名前があげられている。

 第2首都党員師団については、「混石確保事業活発に展開 金策市被害復旧戦闘場で」と題する記事で、「最初の編隊として到着した第2首都党員師団の戦闘員たちが地帯整理とともに工事に用いる混石(砂利のことか)を採取するための事業を力強く展開している」こと及びそこに「平壌火力発電連合企業所大隊」が含まれること、そして、「最初の編隊に続き、二番目の編隊が去る11日夕方から端川市から金策市に向けて陸路で機動を開始したこと」「各被害地域に到着した師団の二番目編隊の戦闘員たちも被害復旧に進入した」ことが報じられている。ただし、「二番目編隊」の具体的な到着先などは記されていない。なお、昨日の記事では、本ブログで紹介したとおり、同師団の機動状況について、「10日、師団の初編隊が(船で)端川港を出発したのに続き、11日には二番目の編隊が北川(音訳)に設置した臨時橋を経て、端川市を出発した」と報じていた。今日の記事で「最初の編隊」というのは、昨日の記事では「二番目の編隊」とされていた部隊を指すと思われる。10日に船で出発した部隊はどうなったのであろうか(清津、羅先など北方に向かった可能性もあるが)。

 一方、首都党員師団以外の活動については、「党創建75周年を革命的名節として輝かせるため力強く前へ! 各地洪水被害復旧戦闘場で」との共通題目の下、各地の状況が報じられている。その冒頭には、昨日、金正恩の視察が報じられた銀波郡大青里における人民軍部隊の活動が紹介されており、このほか、江原郡の倉道(音訳)郡における「(同)道幹部と突撃隊員たち」の活動や「華陽(音訳)郡の被害復旧現場に駆け付けた咸鏡南道旅団」の活動に関する記事も掲載されている。各道でもそれぞれ「突撃隊」などを組織して被害復旧にあたっていることがうかがえる。

 ちなみに、本日の紙面には、平壌総合病院の建設が仕上げ段階にあることを報じた記事も掲載されている。同病院建設については、台風等の被害にもかかわらず、予定通りの完成を目指して作業が続けられている模様である。

 お詫びと訂正:首都党員師団の編成・派遣を呼びかけた金正恩の公開書簡(5日付け)の執筆場所について、6日の本ブログで「党本部執務室らしき部屋での執筆光景写真掲載、同日中に平壌に帰着の模様」と記述したが、これは同書簡の末尾(署名の直前)に咸鏡南道台風被害現場において」と明記されていたのを見落としたことによる、まったくの誤りであり、当該部分については、お詫びして取り消します。執筆時の写真の「執務室らしき部屋」は、5日に政務局会議を開催した会議室と同様、金正恩の専用列車の一部と考えられる。