rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月14日 被災地復旧活動続報

 

 「労働新聞」は今日も、「党の構想を現実へと花咲かせるための忠誠の突撃戦が力強く繰り広げられる」との共通題目の下で、各地における洪水、台風被害の復旧取組みを伝える記事が掲載されている。

 まず、首都党員師団に関しては、「首都党員師団の闘争ニュース 朝と夕方、今日と明日が異なるように記録を創造」と題する記事が掲載されている。

 同記事によると、咸鏡南道に派遣された第1首都党員師団のうち洪原郡に進出した部隊は、「去る12日朝から住宅基礎工事に一斉に突入し短期間に基礎掘削とコンクリート打設を結束したのに続き、骨組工事を力強く推進し高い実績を記録」したという。同地で活動する部隊としては、万景台区域大隊、兄弟山区域大隊、中区域大隊、西城区域大隊、江東郡大隊などの名前があげられている。また、利原郡に進出した部隊についても、やはり「短期間に住宅基礎コンクリート打設を結束した彼らは、住宅建設成果を不断に拡大」したとされ、部隊名としては、江南郡大隊、寺洞区域大隊、順安区域大隊、平川区域大隊、楽浪区域大隊、船橋区域大隊などがあげられている。

一方、咸鏡北道に派遣された第2首都党員師団については、「工場連隊が金策市春洞(音訳)里一帯に進出したときから3日余りがたった」とした上で、その後の成果について「数十里(日本の数里に相当)道路区間に対する復旧と数十棟の住宅(用の)敷地の整理を行いつつ、基礎工事に用いる大量の石を採取」したとしている。12日の本ブログで、第2首都党員師団の金策市到着は11日と推測したが、この記事によると、10日には到着していたことになる。なお、朝鮮中央放送のニュース映像では、同師団の部隊が下船しているらしき場面が写されていることから、10日に端川港を船便で出発した部隊(第1編隊)が同日中に金策市に上陸した可能性もある。いずれにせよ、作業成果については、昨日の報道と大差なく、実際は資材確保などに苦労しているのかもしれない。なお、「工場連隊」というのは、おそらく、昨日紹介した平壌火力発電連合企業所大隊のように企業所を単位に組織された部隊の集合体とみられる。

 更に、「銀波郡大青里一帯の被害復旧戦闘場で より速く、より質的に」などと題する2件の記事が、同郡に投入された朝鮮人民軍趙種革所属部隊及び李日石所属部隊の活動を報じている。(人名は音訳。以下同じ)

 このほか同じ共通題目の下で、「果敢な攻撃戦で工事成果拡大」と題し「(江原道)鉄原郡被害復旧戦闘に奮い立った朝鮮人民軍林英哲所属部隊」の活動を伝える記事、「住宅建設を仕上げ段階で推進」と題し「(江原道)高山郡で住宅建設が完工の日を間近にしている」として「郡内の幹部と勤労者達」の取組みを伝える記事なども掲載されている。

 以上の報道にみられるとおり、咸鏡南北道や銀波郡などは、金正恩の指示に基づく首都党員師団の派遣や本人の視察など、いわば政治的背景もあって脚光を浴びているが、それ以外の江原道などの被災地も、所によっては独力で、それぞれ復旧に取組み、それなりの成果を上げている地域も存在するようである。