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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年9月10日 金正恩と共和国創建75周年慶祝行事参加者との記念写真撮影などを報道

 

 本日の「労働新聞」は、9月9日、金正恩が共和国創建75周年慶祝行事参加者と記念写真を撮影したことを報じる記事を掲載した。

 同撮影は、錦繡山記念宮殿で行われ、金徳訓総理と朴正天党中央委部長が同席した。金正恩は、「行事参加者たちが偉大な自主強国の栄光あふれる歴史と伝統をしっかりと固守し継承して全面的国家復興のための全人民的大進軍において奇跡と革新の突破口を開く時代の旗手、先鋒闘士の栄誉を変わることなく轟かすであろうとの期待と確信を表明」したとされる。

 本日の「労働新聞」には、このほか、いずれも9日に開催された次のような行事の状況を報じる記事も掲載された。主なものは次のとおりである(人名は音訳含む)。

  • 共和国創建75周年慶祝大公演:万寿台議事堂前(野外)にて開催。金徳訓、趙勇元、崔竜海ら党・政府・軍の幹部、最高人民会議代議員、慶祝行事参加者、省・中央機関幹部、革命学院学生、平壌市民が観覧
  • 共和国創建75周年慶祝宴会:万寿台議事堂庭園にて開催、「国家の発展と無窮の繁栄のため献身している労力革新者が招待」、金徳訓が演説
  • 中国党・政府代表団を歓迎する宴会:万寿台議事堂にて開催。金徳訓総理、文成革党中央委副部長、朴明浩外務省副相、柳恩海対外経済省副相ら出席。金成龍副総理と劉国中団長が演説。前者は「新たな高い段階に立った朝中親善協調関係を時代の要求と両国人民の共同の念願に即してより強化発展させていく意志を表明」、後者は「国家と地域情勢がいかに変わろうとも血で結ばれた共同の貴重な財産である伝統的な中朝親善を継承発展させていくことは中国党と政府の確固不動の立場」などと発言。「宴会は終始同志的で和気あいあいの雰囲気の中で進行」
  • ロシア軍隊アカデミア合奏団の祝賀公演:東平壌大劇場で開催。高官の出席なし(「党と政府、軍部の幹部が平壌市内の芸術人とともに共に公演を見た」)。「公演は、反帝自主のための闘争で日々昇華発展している朝ロ親善の紐帯と強固性を示す意義深い契機となった」と説明

 金正恩の記念写真撮影には、奇しくも「復活組」の金徳訓と朴正天が同席したのが印象的である。とりわけ、金徳訓は、その他の一連の行事にも出席、演説するなどしており、「健在」ぶりを改めて誇示の印象が強い。金正恩の「偉大な自主強国の栄光あふれる歴史と伝統をしっかりと固守し継承」していくこと訴えた発言が、今次「共和国創建75周年」の関連行事全体の基本的狙いを端的に示していると思われる。

 中国代表団の歓迎宴会では、北朝鮮側が「親善協調関係」を繰り返しているのに対し、中国側から「血で結ばれた」との表現が出たことが印象的である。一方、ロシア合奏団の公演については、要人の出席はないものの、「反帝自主のための闘争」での共闘関係に言及している。