rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年3月22日 評論「3位1体を徹底して保障するところに単位発展の決定的担保がある」

 

 「3位1体」については、「党の方向舵役割」を論じた3月12日付けの論説の中で各単位の運営における「党委員会の集団的指導」の具体的方法として必要性が主張されていたところ、標記評論は、その重要性、実践のための課題などを論じたものである。

 まず、「3位1体」の意義として、「(当該単位の)党委員会の委員である支配人、党秘書、技師長が互いに心を合わせ、同志的に緊密に協助しつつ自らの地位に託された責任をまっとうしていくこと」と説明している。これを換言すると、「支配人、党秘書、技師長が互いに有機的な連携の下に事業して工場、企業所をはじめとした単位の前に提起されたすべての問題を一つの心、一つの意思になって解決していくこと」であるとも言う。

 そして、それが実現できず、「責任幹部たち(要するにこの3者)がそれぞれ自分の権威と体面ばかり優先視し、提起される問題を主観的意思と欲望に即して即興的に処理していては、単位発展のための作戦と指揮を正しく行っていくことができない」と戒める。評論のような主張がなされるということからすると、現実にはこのような状況が多く存在しているのかもしれない。

 評論は、「3位1体」を実現するための課題として、「まず(3者が)互いに心を合わせていくこと」を挙げ、「ここで重要なことは、各自が意識的に努力すること」と付言している。

 次に指摘するのは、「3幹部の役割が判然としていなければならない」ということである。その上で、「各自が自分の職責のとおり働き、それを責任をもって遂行する」ことを訴えている。

 最後にあげているのは、「党責任幹部(つまり党秘書)の役割がカギとなる」ことである。「3位1体」とは言っても、3者の地位が完全に平等というわけではないようで、「党秘書は、3位1体の主人であるとの高い責任感を常に自覚し、・・・常に支配人、技師長を積極的に押し立て(彼らの)事業的権威を高めてやり、・・・(問題が生じた場合は)彼らを心から助けに出なければならない」と求めている。

 党機関紙に掲載された評論であるから党秘書に対して多くを求めている面も幾分かはあろうが、党秘書の立場は支配人、技師長よりも強力であり、ややもすればその独壇場的な運営状況になりがちなのが実情であろう。同評論は、そのような状況を踏まえての主張として解すべきであろう。