rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年8月26日 両江道の「有熱者」は、インフルエンザと判明

 

 本日の「労働新聞」は、「両江道地域で発生した有熱者の発病原因解明」と題する記事を掲載して、昨日報じた両江道の「有熱者」については、各種診断・検査の結果、いずれも「伝染性風邪」すなわちインフルエンザであることが解明されたと報じた。

 同記事は、あわせて、「有熱者発生地域に対する封鎖は解除された」としつつも、同時に、北部地域においては、最近の気象状況などから「伝染性風邪が容易に発生しうるため、すべての住民が健康管理に格別の注意を払い、マスクを着用し、熱が出た場合は流動せず該当機関に適時に通報することを勧告した」こと及び「すべての非常防疫単位において、有熱者掌握と検病検診をより厳格に行うことを指示した」ことなどを伝えている。

 こうして見ると、昨日の「有熱者」発生報道は、防疫態勢の手綱を緩めないために、敢えて行ったもののようにも思える。いずれにせよ、北朝鮮当局が防疫態勢の維持に腐心していることがうかがえる。

  ただ、一方で、本日の「労働新聞」には、「偉大な領導者金正日同志が革命武力に対する最初の足跡を残された62周年慶祝」(ここでも「先軍節」との表現は用いていない)の青年舞踏会が25日に各地で開催されたとの記事も掲載されており、添付の写真(平壌市内のもの)を見る限り、参加者はマスクを着用していないようである。メリハリをつけての対策ということであろうか。