rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年8月28日 社説「社会主義建設の全面的発展のための闘争において愛国青年の気概をより力強く誇示しよう」

 

 標記社説は、冒頭に記されているとおり、「(本日)青年節を意義深く迎えている」ことに際したものである(これを25日の「先軍節」に際しての報道と対比すると、そこで「先軍節」の表現が使われていなかったことの特異性が明確になろう)。

 同社説が、その「青年節」に際し、青年に対し特に強く訴えているのは、次の3点である。

 第1は、「党中央決死擁衛の戦闘闘士になろう」ということで、「敬愛する総秘書同志の安寧と権威を保衛する道に青春も生命も惜しみなく捧げることを最高の栄誉、最も神聖な義務」とみなすことを訴えている。

 第2は、「社会主義祖国のしっかりとした守護者になろう」ということで、「祖国保衛と青春を一つに結びつけ人生の最も価値ある時期を惜しみなく捧げていく」ことを訴えている。ここでは、また、「敵対勢力の反共和国謀略策動はより悪辣になっている。しかし、これは滅亡するものどもの最後の悪あがきに過ぎない」とも主張している。

 第3は、「我々の手で美しい未来を創造しよう」ということで、「我々式社会主義の明るい未来は、青年のものであり、青年自身の手で手繰り寄せるべき聖なる愛国偉業である」と主張している。これに関しては、後段でも、改めて、「青年は、国家経済発展5か年計画遂行において創造と革新の火の手をより強く燃え上がらせなければならない」と訴えている。

 一般的な主張に照らすと、以上の訴えのうち、1番目と3番目は、いわば恒例的なものと思われるが、その間に敢えて2番目が挿入されていることは、やや異例と言えるのではないだろうか。

 もちろん、青年の多くが兵役に服していることを考えれば、驚くべきことではないかもしれないが、3番目がいわば「経済建設」への献身訴えとするなら、2番目は「国防」への献身訴えであり、それが先行していることには、一応の留意が必要であろう。

 ちなみに、8月28日は、「海軍節」でもあり、本日の「労働新聞」には、それに関する記事も掲載されているが、内容紹介は省略する。