rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年7月27日 社説「戦勝世代の英雄的闘争精神で我々式社会主義の進軍活路を力強く開いていこう」

 

 標記社説は、前項で紹介した通り「戦勝節」にちなんだもの。今年は、その68周年にあたる。

 まず朝鮮戦争に参戦した「戦争老兵」に関し、「金正恩同志におかれては、戦争老兵を偉大な歴史を創造した貴重な師匠であると呼んで下さり、誰もが永遠に従い学ぶべき亀鑑として押し立てて下さり、彼ら皆が老いてますます盛んで栄えある一生を輝かしていくようあらゆる愛と恩情を施してくださっている」とした上で、彼らが発揮した「英雄的闘争精神」の特性を次のように描写し、現代におけるその継承・実践を訴えるものである。

 まず、「首領だけを固く信じ従う絶対的な忠実性」である。これについては、説明の要はないであろう。

 次に、「祖国に対する燃える愛と献身に満ちた真の愛国主義」である。それにならって、「命を躊躇なく捧げて戦った戦勝世代のように哨所と職場を祖国守護の最前線、第1線塹壕とみなして愛国の高貴な血と汗を惜しみなく捧げているかを常に振り返り見なければならない」と訴えている。

 そして「神話的な奇跡を収めた大衆的英雄主義と無比の犠牲性」である。朝鮮戦争において敵の物量の圧倒的優位にも屈しなかったことを根拠に「物理的な力には限界があるが百折不屈の精神力を帯びた人民大衆の力には限界がない」と主張し、今日の苦境の克服を訴えている。

 社説は、以上を踏まえて、最後に「戦勝世代のように生き、闘争していく気風が全国にあふれるようにしなかればならない」と主張し、とりわけ「育ちゆく新世代の中で革命意識、階級意識を植え付けるための教養事業に特別の注目をめぐらす」ことを求めている。

 同社説の以上のような主張に「戦勝節」記念行事、とりわけ「老兵」に対する優待・顕彰の狙いがすべて示されているといえよう。その狙いは、すぐれて今日的必要性を反映したものである。