rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年7月27日 南北間の通信回線が回復

 

 朝鮮中央通信は、本日、「北南首脳におかれては、最近、数次にわたり授受された親書を通じて、断絶されている北南通信連絡通路を復元することによって相互の信頼を回復し、和解を図る大きな歩みを踏み出すことで合意された」ことを受け、南北間の通信回線を本日10時から再稼働させる旨を明らかにし、このような措置が「北南関係の改善と発展に肯定的な作用をすることになるであろう」とする「報道」を発表した。

 韓国側も同時に同旨の発表を行い、韓国の報道は、軍、南北連絡事務所などの間の通信が実際に行われたとの当局の発表を報じている。

 このような動きは、北朝鮮が昨年6月、対北朝鮮宣伝ビラ送付をめぐって韓国非難を強め、板門店の南北共同連絡事務所を爆破するなどして以来、閉そく状態にあった南北関係の大きな転換を意味するものであり、これに応じた北朝鮮側の思惑及び今後の出方が大いに注目される。また、それが「戦勝節」に当たる今日発表されたことも興味深い。

 当面の焦点は、8月に予定されている米韓連合軍事演習への南北双方の対応であろう。今次通信回線の復元が、同演習の中止を前提としたものであったのか、あるいはその容認を前提したものであったのか、あるいはその中間の大幅規模縮小を前提としたものであったのか、近いうちに明らかになるであろうが、それによって今次合意に至った南北の力関係も推測が可能になるのではないだろうか。