rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年7月27日 「戦勝節」関連行事をに実施

 

 朝鮮戦争の停戦協定が締結された7月27日は、北朝鮮では「戦勝節」とされており、今年も様々な記念行事が実施されている。

 まず、同日午前零時、金正恩が祖国解放戦争参戦烈士廟を訪問した。同地では、金正恩を「朴正天(総参謀長)同志、権英鎮(総政治局長)同志、李永吉(国防相)同志をはじめとした人民軍指揮メンバーと全軍大連合部隊、連合部隊長が出迎えた」と報じられている。

 なお、同訪問に関するニュース映像を見ると、朴正天が到着した金正恩に報告する姿などが映し出されている。7日の錦繡山太陽宮殿参拝時には、権英鎮、李永吉の外側に並んでいたことを考えると、前述の氏名の報道順序からいっても、同人が軍人トップの序列を回復したことがうかがえる。ただし、階級は次帥のままのようである。政治局での地位はどうなっているのか興味深い。

 また、同報道中の「大連合部隊」は軍団級、「連合部隊」は師団級の部隊を指す表現とみられる。映像では、金正恩の献花には、数十名の制服軍人が続いていた。そこで写されていた出迎えの際の立ち位置などから推測すると、高位軍人の階層は、名前を挙げられた3人が最上位、次が軍種(海軍、空軍など)司令官及び軍団指揮官級の11人、そしてそれ以外の師団長級数十人の3層に分かたれているようにみえる。

 金正恩は、同地で「歳月が流れ、世代が何百回変わったとしても、戦勝世代の崇高な革命精神と英雄的偉勲は、後代の愛国熱、闘争熱を絶え間なく奮発昇華させ、革命の新たな勝利に向けた我が人民の勝利的前進を力強く推動するであろう」と述べたとされる。ここに「戦勝節」記念行事の狙いが端的に示されているといえよう。

 これに先立つ26日には、既に平壌到着が報じられていた第7回全国老兵大会参加者のための公演や「戦争老兵と労働階級、職(業総同)盟員の出会い集会」が開催されたほか、大会参加者の祖国解放戦争参戦烈士廟訪問も行われた。

 このほか、27日付け「労働新聞」は、「戦勝世代の英雄的闘争精神で我々式社会主義の進軍活路を力強く開いていこう」と題する戦勝節記念の社説を掲載したが、これについては、別項で紹介したい。

 更に本日、「第7回全国老兵大会」が開催されているとみられる。その状況については、明日報道されると思われるので、それをまって紹介したい。