rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年12月28日 党中央委第8期第6回全員会議拡大会議2日目の状況

 

 本日の「労働新聞」は、標記会議2日目(27日)の開催状況に関し、金正恩の第1議題に関する「報告」が続いているとして、概略次のような内容を報じる記事を掲載している。

  • 文化分野関係:「科学、教育、保健をはじめとした社会主義文化建設の方面において達成した成果と経験を拡大し、一連の深刻な欠点を克服するための原則と方途的問題」に言及、「新年度に徹底して重視すべき諸般重点課題を提起」
  • 思想教育・大衆動員関係:「人民大衆の思想文化、生活文化領域において根本的な転換をもたらすこと」、「遵法気風を徹底して確立すること」、「大衆運動、社会的愛国運動をより力強く展開すること」などを提起
  • 対外政策・国防建設関係:「新たな挑戦的形勢と国際政治情勢」についての「深奥な分析評価」に基づき、「国権守護、国益死守のため徹底して堅持すべき対外事業原則と対敵闘争方向」を示し、「2023年度に強力に推進すべき自衛的国防力強化の新たな核心目標(複数)」を提示
  • 幹部の活動姿勢関係:「国家事情全般実態についての解剖学的で科学的な分析」があり、「各級幹部が事業態度と作風を決定的に改変することによって・・重い責務を厳粛に全うしていく」ことについて言及

 以上の報告内容のうち最も注目されるのは、いうまでもなく、③の部分であるが、いずれも、前述以上の具体的言及はない。ただし、その「挑戦的形勢」といった情勢認識あるいは「対敵闘争」といった表現からは、従前同様ないしそれ以上に強硬な方向性を帯びたものであることは間違いないであろう。

 また、国防力強化の「新たな核心目標」については、韓国報道などでは、従前から取り上げられているアイテムを前提にいろいろ推測しているが、「新たな」と言っているところからすると、それらを超えたものとなる可能性も考えておいた方が良いのかもしれない。

 なお、金正恩の「報告」は、3日目にも続行の由である。初日から2日までで、経済、社会・文化、対外・国防、幹部問題が論じられ、こうした「報告」で取り上げられる主な分野は概ねカバーされたように思えるので、3日目では、それらに加えてどのような分野を取り上げ、どのような内容の方針が示されるのか大いに注目される。