rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年1月8日 党大会3日目の状況について

 

 本日の「労働新聞」報道によると、党大会3日目に当たる1月7日にも、金正恩による中央委員会事業総括報告が続いた。その骨子は、大別すると、経済以外の内政事項、対外関係、党強化の3点とみられる。

 内政事項については、①文化建設(教育、保健、文学芸術など。「我々式の生活様式を確立し、非社会主義的要素を徹底して克服」することにも言及)、②国家管理(「法務事業、法闘争」などを含む)、③青年同盟をはじめとした勤労団体などが取り上げられたとされる。

 対外関係については、「醸成された情勢と変遷する時代的要求に合わせて対南問題を考察」するとともに「対外関係を全面的に拡大発展させるための我が党の総的方向と政策的立場を闡明」したとされる。それ以上の言及はなく、具体的な内容は予測しがたい。

 党強化に関しては、「党を組織思想的に強固化し、その領導的役割を高める」ことについて、問題点の指摘とその改善のための課題などが示されたという。

 これで大会初日から3日続いた同報告は終了したとみられるが、一方、同報道は、参加者について、「我が党の以民為天の理念と人民大衆第一主義思想が句説ごとにあふれる報告の内容に立脚して自己の部門、自己の単位の現実態を振り返りつつ、党性、革命性、人民性の堅持におけるこれまでの事業状況を冷徹に分析している」「新たな発展期、跳躍期に入った我が革命が提起している重くも責任ある闘争課題を自己の部門、自己の単位の事業と結び付けて深く研究している」などと報じている。

 このような表現が、単に金正恩の報告を聴取しつつ各自が頭の中で考えをめぐらしているということを意味するものなのか、あるいは、報告の途中ないし終了後に、そのような考察のための機会を設け、あるいはなんらかの報告を求めるなどの具体的な議事運営を反映したものなのかは判然としない。後者の可能性も否定できないのではないだろうか。そうであれば、それが中央委員会事業総括報告が前回大会時の2日間から今回の3日間に伸びた理由とも考えられる。いずれにせよ、金正恩としては、参加者が自分の報告を他人事のように聞くのではなく、その趣旨を自分の問題として具体的な反省なり実践に結び付けてくれることを強く願っているのであろう。