rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月10日 党中央委員会全員会議続行

 

 8日に始められた標記会議は、9日にも続行された。本日の「労働新聞」掲載の記事によると、2日目会議では、初日からの第1議題(すなわち本年度の課題)に関する金正恩の「報告」が続けられた(ちなみに、同報告は3日目にも継続との由)。

 2日目の報告では、まず人民生活関連の経済部門について言及があり、とりわけ「農業生産を安定的に、持続的に発展させる」ことなどが強調された。

 続いて、科学技術の振興と文化建設分野に関し、それぞれの課題を提示した。

 その後、「人民軍隊と軍需工業部門」及び「対南部門と対外事業部門」の課題について言及したが、その内容は抽象的にしか表現されていない。

 2日目の「報告」の最後は、経済管理に関する言及に充てられ、「内閣と国家経済指導機関が自らの固有の経済組織者的機能と統制機能を復元し、経済全般に対する指導管理を改善」すること、「非常設経済発展委員会の役割を高める」ことなど、「内閣中心制、内閣責任制を強化するための重要な方途的問題」が論じられたという。

 以上のような「報告」は、初日のものも含め、党大会における「中央委員会事業総括報告」の構成をそのまま踏襲し、内容面でも、その繰り返しないし延長線上のものといえる。報道されている限りでは、数値目標への言及はなく、さほどの具体性も感じられない。

 この流れでいくと、3日目の「報告」は、党活動に関するものと予測できる。また、「報告」の所要時間も、党大会の時の「9時間」とさほど変わらない長さになるであろう。それが午前中で終わって、午後から「討論」へと続くのではないだろうか。

 党大会終了後、1月もたたないうちに、改めて同じ趣旨の話を延々と繰り返さなければならないということは、金正恩の「今年に人民が期待している実際的な結果を必ずや成し遂げようとの確固たる信念」の発露であるにせよ、やはり、何か問題があるように思われる。