rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月9日 党中央委員会第8期第2回全員会議開催

 

 本日の「労働新聞」は、標記会議が昨日8日から開催されていることを報じた。

 同会議は、2月6日付けの政治局常務委員会決定書において、「党大会が提示した戦略的課題を徹底して貫徹するための各部門の今年度事業計画を審議・決定する」ことを狙いとして、「2月上旬に召集」することが予告されていたものである。

 本日の報道によると、会議には、中央委員会メンバーに加え、党中央委副部長、内閣メンバーはもとより、道級指導機関の責任者、市・郡党の責任書記、主要工場・企業の党・行政責任者らが傍聴者として参加したという。

 また、会議運営に関しては、「金正恩同志が全員会議を指導」したとする一方、「金正恩同志が党中央委員会政治局常務委員会委員達と共に全員会議を指導するため会議場主席壇に登場された」との表現も用いている。一方、このところ常用されていた「司会した」との表現は用いていない。

 会議では、まず金正恩が「全員会議を招集するに至った基本趣旨」について発言し(開会辞?)、「今年の事業計画を細部的に確認し、党中央委員会の決定として固着させ示達すること」の必要性を訴え、「非常防疫状況が継続する中でも、経済建設を活気に満ちて推進し、人民により安定し向上した生活条件を提供」するとの「党中央の決心と意思を披歴」するとともに「社会主義建設を阻害する否定的要素(後述の経済指導機関の「消極性」などを指すと思われる)を徹底して克服」すべきことなどを強調したという。

 同会議では、その上で、議題(複数)が採択され、まず、「5か年計画の初年度課題を徹底して遂行すること」に関し、金正恩が「綱領的な報告を開始」したとされる。

 同「報告」は、「国家経済指導機関において今年の闘争目標を立てる過程で発露した消極的で保身主義的な傾向が辛辣に指摘」するとともに、「人民経済部門別課題を提起」し、金属・化学部門をはじめとする各部門において「今年達成すべき重点目標と実践的な方途を明示」したという。

 報道は、「全員会議会議は継続される」と結んでおり、また、金正恩の「報告」が「開始された」とだけ記されていたことから、同「報告」が2日目の今日も続けられていると考えられる。

 党大会、最高人民会議に関する報道では、「国家経済発展5カ年計画」における主要産品の具体的な数値目標がほとんど示されてこなかった、今次会議を通じて今年度の目標としてではあれ、それらに関する数値目標が示されるのか否かが注目される。

 また、金正恩が「報告」の中で「国家経済指導機関」の消極性を批判しているが、そのような姿勢は、先の「5カ年戦略」に関し主観的欲望にとらわれて非現実的な目標を設定したことが批判された経緯を受けてのものと思われる。大胆な計画を出すと「非現実的」と批判され、実現可能なものを出すと、「消極的」と批判されるのでは、経済官僚も立つ瀬がないのではないかと同情したくなる。