rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年2月15日 北朝鮮少子化対策

 

 紹介が遅れてしまったが、標記に関し、2月10日付け「労働新聞」が「多子女世帯に施される有難い恵沢」と題して興味深い記事を掲載した。

 同記事は、「労働新聞」者記者による女性同盟中央委員会幹部とのインタビューの形式で、「多産母」(3人以上の子供を産み育てる女性)らに対する各種の優遇措置を解説している。その骨子は、次のとおりである。

  • 多産母に「多産母治療券」を発行、「その家族」(範囲は不詳)を含め「医療奉仕を優先的に受けている」
  • 多産母に「食糧と住宅をはじめとした生活条件を円満に保障するための施策が実施」
  • 多産母が子供が高級中学校卒業までの間、休職を求めた場合、そのまま承認するなどの優待措置。末子が高級中学卒業まで、国家が新たに定めた特別補助金を支給
  • 3人以上の子を産んだ女性は勤続年数にかかわらず、2人の子を産んだ女性は勤続年数15年以上の場合、年老保障の歳に達すれば、国家が与える恵沢(老齢年金?)を受けられる
  • 多子女世帯の子女は職業技術学校に優先的に推薦

  同記事は、これら措置を紹介した上で、「すべての女性が我々の美しい未来、国と民族の前途を考えて、子供をより多く立派に育てるとき、我が祖国はより強くなり、信念高く前進することになるであろう」として、多産を奨励している。

 記事の標題では、「多子女世帯」となっているが、具体的な制度の上では、「多産母」に対する措置が大半となっている。

 いずれにせよ、北朝鮮少子化対策に努めているということは興味深い。