rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年2月26日 「戦略巡航ミサイルの発射訓練実施」報道は虚偽?

 

 内外の報道などによると、2月24日付けの本ブログで紹介した、標記訓練を23日に実施したとの北朝鮮の報道(24日付け)に関し、韓国軍は、そうした飛行の軌跡が韓米により何ら探知されていないことを理由に、事実に反するものとみなしているようである。

 そうした推論を行うためには、韓米の情報収集能力が、そうしたことがあれば必ず探知できているはずといえる水準にあることが前提となるが、本当にそれだけの能力を有しているのか、私としては何とも判断しがたい。

 ただ、仮に、何か形式的・小規模な訓練を行った上で盛大に行ったように発表したということだとすると、そうした虚偽報道を敢えて行った北朝鮮の思惑は、なんとも興味深いものである。それは、つまり、米韓の軍事的行動に対して、相応の対抗措置を講じるという「姿勢」だけは何としても誇示しておきたいが、それを実施するコスト(色々な意味での)は省きたい、あるいは米韓の行動に毎度毎度、実際に付き合うだけの余裕はない、という状況を踏まえての苦肉の策ということになろう。それはそれで、今の北朝鮮にとって、ある意味、賢明な対応策とも考えられる。そして、そうだとすると、現在の北朝鮮の「強硬姿勢」は、主に国内向けということになろう(米韓には、虚偽と見ぬかれてしまうのだから意味がない)。それは、我田引水であるかもしれないが、本ブログがかねて推測してきたところでもある。