rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年5月19日 米韓の合同軍事演習などを改めて非難

 

 本日の「労働新聞」は、「絶え間なく敢行される戦争挑発策動の最後はどこか」と題する朝鮮中央通信社の論評を掲載している。

 同論評は、冒頭、「朝鮮半島情勢が爆発直前の段階へと滞ることなく肉薄している」との認識を示した上で、先般来の米韓による対北朝鮮抑止力強化に向けた軍事演習をはじめとする様々な動向を詳細に指摘したのに続けて、「看過できないのは、米帝と傀儡好戦狂どもが5月25日から6月15日まで京畿道抱川において歴代最大規模の『連合合同火力撃滅訓練』を合わせて5回も実施するとうそぶいていることである」として、同「訓練」を強く非難している。

 そして、結論部分では、そうした米韓の動向に対する北朝鮮の対応について、「米国と傀儡好戦狂どもの狂乱的な核戦争騒動は、それに相応する対応を呼び起こすことになる。醸成された厳重な事態と展望的な脅威に対処して、より強力な正当防衛手段(複数)を備えることは、主権国家の合法的権利である」と主張している。

 同論評の趣旨は、これまでの主張の延長線上のものではあるが、とりわけ5月25日からの「訓練」実施に対抗する形で、「より強力な正当防衛手段」を誇示する可能性を示唆したものとも考えられる。北朝鮮では、現在、年間で最重要な農事とされる田植えの時期であるが、それも概ね5月中に終えることを目指しているようである。そういう意味でも、6月に入ってからの北朝鮮の動向には一層の注視が必要と考えられる。