rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年7月6日 内閣全員会議拡大会議開催を報道

 

 本日の「労働新聞」は、標記会議が7月5日、「画像会議」形式で開催されたことを報じる記事を掲載した。その骨子は、次のとおりである。

  • 参加者:「金徳訓同志(総理)が会議を指導」、「内閣メンバーが参加」、「内閣直属機関・省機関幹部、道・市・郡人民委員会委員長、農業指導機関・重要工場・企業所幹部が傍聴」
  • 主な討議事項:「部門と単位の上半年度人民経済計画遂行状況を総括し、党中央委員会第8期第8回全員会議の決定を徹底して貫徹するための対策を討議」
  • 報告(朴章根副総理・国家計画委員長):①成果「基幹工業部門の増産を成し遂げ、主要整備補強対象が完工」、「灌漑工事が大々的に進行・・早収穀物生産計画が遂行」、「和盛地区第2段階1万世帯住宅・・など重要対象建設が力強く推進」、②問題点:「経済事業で現れた一部偏向と原因を分析評価」、幹部の責任ある「観点と立場」及び「主導性、創造性、活動性」発揮を訴え
  • 討論(複数、氏名言及なし):「下半年度作戦と指揮を一層迫力をもって行い・・党決定執行を無条件に徹底して担保していく決意を披歴」
  • その他討議事項:①農業部門(「地域の全般的農業土地を統一的に掌握管理し、農事指導を科学技術的に実施」など)、②国土管理・生態環境保護事業、③「育児事業」、④「品質監督事業」

 なお、添付の写真によると、金徳訓総理以下、多数の参加者が一堂に会しており、画像での参加は、おそらく地方勤務の傍聴者などであったと思われる。

 いずれにせよ、会議内容についての報道は、概して抽象的で、今後の政策の方向性などに関し、これまでに報じられている以上の情報は得られない。とりわけ、問題点についての指摘や「討論」は、幹部の姿勢といった精神論に終始している印象が強い。