rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年11月27日 地方人民会議代議員選挙の実施を報道

 

 本日の「労働新聞」は、26日に実施された標記選挙に関連する記事を多数掲載している。

 まず、金正恩咸鏡南道第55選挙区第26号分区選挙場(龍城機械連合企業所内に設置)を訪れ(同行者:金徳訓、李日換、呉守容、金予正、玄松月)、咸鏡南道、咸興市、海岸区域の各人民会議代議員候補者に投票したこと及びその際とみられるが、金正恩が同日、同じ同行者を引き連れて龍城機械連合企業所を現地指導したことが報じられている。

 全般的な選挙状況に関しては、全国の投票率が「99.63%」と報じる記事をはじめとして、各選挙場の状況を紹介する記事・写真などに加え、駐朝ロシア大使館員らが選挙場を参観したことも報じられている。新たな選挙方法を国際的にアピールするためとも考えられる。

 注目の「投票場」の状況については、金正恩の投票時及びロシア大使館員らの参観状況の写真から、いずれも、緑色と赤色の二つの投票箱が設置されていることが明らかとなった(悪名高かった、かつての「黒・白投票箱」からイメージ・チェンジを図ったのであろう)。金正恩が緑色の箱に票を入れているので、「支持」の場合はそこに入れるということなのであろう。肝心の「秘密保障」については、なんとなく仕切られているような印象はあるものの、運用も含め実態は判然としない。ただ、前述のとおり選挙場関連で多くの写真が掲載されているが、上記2枚以外に投票場を写したものは存在せず、一般住民の投票状況を撮影することは差し控えたとも考えられる。

 また、当選者などの選挙結果については、これまでのところ報じられていない。明日以降の報道をまちたい。

 なお、些事であるが、金正恩の投票報道から、少なくとも咸興市においては、人民会議が3レベル(道、市、区域)で存在することが明らかになった。一般的には、道と市又は郡(平壌などの直轄市の場合は、市と区域)の2レベルが基本と思うが、咸興市のような地方の大都市(市内に区域を設置)の場合は例外であるようだ。