rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年12月24日 引き続き各種生産施設等の竣工を報道

 

 昨日に続き、本日の「労働新聞」も、「意義深い今年を輝かしく締めくくる誇らしい創造物たち」の共通見出しの下、第1面を費やし、次の5件の生産施設等の完成を記念する行事がいずれも23日に行われたことを報じている。各行事への主な出席者、当該施設の特徴・意義などは次のとおりである(地名、人命等は音訳)。

  • 内坪3号発電所竣工式:趙勇元組織秘書(常務委員)、朴勲内閣副総理、白成国江原道党責任書記、朱文振江原道人民委員長、徐種振建設建材工業相(竣工辞)、「(同発電所が)新たに建設されたことにより、江原道の水資源をより効果的に利用し、地域の経済発展と人民生活向上に必要な電力問題を解決することに貢献する」
  • 興南製薬工場医薬品2系列生産工程現代化対象操業式:朴泰成党秘書、李正南咸鏡南道党責任秘書、金英植咸鏡南道人民委員長、全乗国内閣副総理(竣工辞)
  • 西倉青年炭鉱ベルトコンベア工事対象操業式:呉守浩党秘書、楊乗浩内閣副総理、金正南平安南道党責任秘書
  • 烽火テトロン繊維生産工場竣工式:金明勲党中央委副部長、宋英成烽火貿易局局長、「代用原料によるテトロン中孔繊維生産工程と手加工及び布団生産工程を漏れなく備えた現代的な工場」
  • 平南麺屋(改築工事完了):韓光相党中央委部長、金明勲同副部長、李勇民人民奉仕指導局長、「延べ建築面積が1万余㎡に達する寄棟屋根の朝鮮式建築物・・8個の大衆食事施設と大同江ビール奉仕室、7個の厨房(を備える)」

 一連の行事の出席者の顔ぶれからすると、最初の内坪3号発電所が最も高く位置付けられているものとみられる。

 一方、烽火テトロン繊維生産工場(要するに布団工場)及び平南麺屋については、貿易ないし外資との関連がうかがえる。ちなみに、両者に共に出席している金明勲は、聯合通信の人名データベースによると、「慶興指導局局長」とされていて、何部の副部長なのかは定かでないが、外資がらみの人物のように思われる。また、韓光相は軽工業部長であるが、以前には財政経理部長の経歴がある。どちらの関係でここに出席しているのかは定かでない。なお、同施設は、平安南道ではなく、平壌市内に所在するようである。写真で見ると、まさに朝鮮風の豪壮な建物である。平壌市内の新たなグルメスポットになるのであろう。