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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年2月19日 金正恩咸鏡南道蓮浦温室農場の建設着工式に参席

 

 本日の「労働新聞」は、1月28日付けで金正恩の「建設現場了解」を報じた標記農場の建設着工式が2月18日、現地で開催され、金正恩が出席、演説を行ったことを報じる記事を掲載した。

 これへの同行が報じられたのは、趙勇元組織秘書、咸鏡南道責任秘書・李正南(音訳)と「咸鏡南道内の幹部と勤労者たち」及び「李英吉同志(国防相)、金正官同志(前国防相、現職不詳)をはじめとした武力機関幹部と軍人建設者たち」である。

 金正恩は、「咸南道人民のための蓮浦温室農場建設において人民軍隊の戦闘的気質を高く轟かせ」と題する演説を通じて、同農場建設が「重要軍事基地を・・現代的な野菜生産基地へと転変させる」との「党中央」の「決心」に基づくものであることを明らかにするとともに、同農場を「先進的な農業技術を普及する実物教育農場として、我々式農村文明創造の新たな拠点として、名実ともに住みやすく働きやすい社会主義文化農場として建設し、これを基準、烽火として国の全般的農村発展を一層強力に確信を持って推進しようとの党中央の構想」を強調した。

 その上で、「このように重要な意義を持つ農場建設を丸ごと受け持ち遂行することになったことは我が軍隊将兵の大きな栄光となる」として、建設に参加する将兵に対し「同志たちは、この温室農場建設に招集した党の意図と期待を心臓に深く刻み、革命軍隊の戦闘的気質を余すことなく発揮し、今年の党創建記念日(10月10日)までに蓮浦温室農場を立派に完工」させるよう求めとともに、「いかなる戦略武器よりもより強い我々の軍民大団結をより強固なものにしっかりと固めるためのまさに最前線に立っているということをはっきりと自覚し、・・全力を尽くす」ことを訴えた。

 着工式では、その後、金明植(海軍司令官)及び金光革(音訳、党中央委員。現職不詳)の二人の「朝鮮人民軍将領」が「討論」を行ったのに続き、金正恩が他の幹部と共に初スコップを握り、更に自らボタンを押して初発破を行った。

 以上のような演説内容及び着工式の状況は、人民生活重視の姿勢のみならず、そうした施策遂行の先頭に軍を立たせるとの姿勢を改めて鮮明に印象けるものといえよう。それは、ある意味での「先軍」精神と言えるのではないだろうか。