rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年2月3日 巡航ミサイル超大型戦闘部の威力実験及び新型対空ミサイルの試射実施を発表

 

 本日、朝鮮中央通信は、2月2日に標記実験等を実施したとする「ミサイル総局代弁人発表」を報じた。同「発表」の骨子は、次のとおりである。

  • 実施概況:「ミサイル総局は、2月2日、朝鮮西海上巡航ミサイルの超大型戦闘部威力実験と新型対空ミサイルの試射を実施した」
  • 目的:「新型武器体系の機能と性能、運用など諸側面での技術高度化のため」
  • 実施主体:「ミサイル総局と管下国防科学研究所(複数)」
  • 周辺情勢との関係、影響等:「地域情勢とは無関係」、「周辺国家の安全にいかなる否定的影響も及ぼさなかった」

 同「発表」は、実験に使用したミサイルの名称に言及せず、その他の具体的内容、結果などについても何ら明らかにしていない。ただし、同記事には、低空を飛翔する巡航ミサイルとそれが地上目標に命中して爆発した瞬間などの写真が添付されている。

 これに先立ち、韓国軍は、北朝鮮が2月2日午前11時ころ、西海上巡航ミサイル数発を発射したと発表していたが、対空ミサイルについての発表はなかった模様である。

 北朝鮮による巡航ミサイル発射は、今年に入ってこれで4回目になるが、これまでの3回がミサイル本体の試射ないし発射訓練とされたのに対し、今回は、弾頭部分の「威力」(爆発力の意味か?)の試験のためのものとされたことが特徴である。いずれにせよ、手を変え品を変えて、ミサイル開発の多角的な進展を印象付けたいのであろう。

 また、「地域情勢とは無関係」、「周辺国家の安全に否定的影響を及ぼさず」との内容は、このところのミサイル発射に関する発表の常套表現となっている。何のために、誰に向けての主張なのかよく分からないが、一つの可能性としては、国際社会(遠くの国々)向けなのかもしれない。