rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年1月25日 新型戦略巡航ミサイル「火矢3-31」の試験発射を報道

 

 本日、朝鮮中央通信は、ミサイル総局が1月24日、「開発中にある新型戦略巡航ミサイル『火矢(불화살)3-31』型の初試験発射を実施した」ことを報じた。

 同記事は、同試射が「周辺国家の安全にいかなる影響も及ぼさなかったし、地域情勢とは全く無関係」であり、「兵器システムの絶え間ない更新過程であり、総局と傘下の国防科学研究所の定期的かつ義務的な活動である」と主張する一方、当該試射の目的や内容(発射発数、飛距離、飛行特性)などについては、一切言及していない。

 これに関連して、韓国軍は、24日、北朝鮮が同日午前7時ごろ黄海上で巡航ミサイル数発を発射したことを明らかにしていた。

 ちなみに、北朝鮮は、昨年9月2日、「戦術核攻撃仮想発射訓練」と称して、「長距離戦略巡航ミサイル」2発を発射したことを明らかにしている。今次は、これとは異なり、開発中の新型ミサイルの実験ということで、巡航ミサイルについても、開発を着々と推進していることを誇示したいのであろう。とりわけ、新型ミサイルの名称中に「31」が付されているのは、昨年3月27日の金正恩の「核武器研究所」指導を報じた記事に添付の写真で示された「火山31」と称する核弾頭を搭載可能であることを示しているとも考えられる。おそらくは、そうした推測を期待しての命名であろう。

 ただし、同記事は、本日の「労働新聞」には掲載されていない。本日の「労働新聞」は、23,24日に開催された政治局拡大会議の報道に1面から4面までを費やしており、焦点は、もっぱら同会議での「地方発展20×10政策」実施方案策定にあてられているようである。試射の報道があっさりとしているのは、そのためかもしれない(あるいは、たいした成果がなかったためかもしれないが)。

 政治局拡大会議については、別途、整理します。本当は、こちらの方が重要なのですが、とりあえず、簡単なほうから片づけた次第です。