rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年1月22日 「施政演説」に関する宣伝画を制作

 

 昨日(1月21日)付けの「労働新聞」は、「金正恩同志が歴史的な施政演説において提示された綱領的課題貫徹へとすべての人民を呼び起こす宣伝画を新しく創作」と題して、これら宣伝画(ポスター)を紹介する朝鮮中央通信の記事を掲載した。

 そこで紹介されている宣伝画は6種類あり、各々が掲げる基本スローガンは、次のとおりである。

①「共和国の富興発展と人民の福利増進のために!」

②「国家経済の上昇推移を引き続き高潮させよう!」

③「『地方発展20×10政策』を強力に推進しよう!」

④「米帝大韓民国の連中を無慈悲に粉砕しよう!」

⑤「全民抗戦準備に最大の拍車を!」

⑥「祖国保衛は最大の愛国!」

 これら6種類の宣伝画のうち「労働新聞」の記事に添付されたのは、①だけであるが、朝鮮中央通信の記事(同ホームページ掲載)には、①から⑥までのすべてが添付されている(掲載①②③⑥⑤④の順)。ちなみに、④は、戦車の前におののく2人の人物を描いており、⑥は、列車の窓から身を乗り出す若い男女軍人の姿を描いたもので軍への入営を象徴しているとみられる。

 最高人民会議での金正恩の「施政演説」に関して、「労働新聞」紙面の記事では、「地方発展20×10政策」に最大の焦点を当てていることは既に指摘したとおりであり、本日(22日)も1面トップで「『地方発展20×10政策』の実現は確定的である」と題する長文の評論を掲載している。

 しかし、上掲の宣伝画を見ると、6種類のうち、半数の3種類が軍事関連であり、そこからは、「施政演説」を契機として、軍事的緊張を背景に国内の引き締めに努める動きをうかがうことができよう。