rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月1日 「洪水と暴雨、風雨被害を防ぐための事業において些細な隙も無いように」

 

 本日の「労働新聞」には、標記の共通題目の下、3件の関連記事が掲載されている。

 まず、「統一的な指揮体系を一層強化して 国家非常災害委員会において」と題する記事は、自然災害対策の主管部署とみられる「国家非常災害委員会」の活動を紹介するもので、「洪水と暴雨被害を最小化し、いったん災害が発生した場合、人民の生命安全と国の財富を頼もしく守るための統一的な指揮体系をより強化している」ことについて伝えている。記事によると、「去る7月31日、暴雨を伴う大量の雨が降るとの警報を受けた即時、(同)委員会では中央洪水被害防止連合指揮部に網羅されている各省、中央機関幹部と合同して、被害防止のためのより具体的な組織事業を進めた」という。

 このほか、「すべての状況を勘案し徹底した安全対策を 電力工業部門において」と題する記事は、発電所建設現場における事故防止対策や火力発電所における石炭防護策、水力発電所における貯水池管理などの取組みを紹介しており、「一つ一つ確かめて実質的に 咸鏡北道において」と題する記事は、主に同道における「農作物と(農業関連)施設物、土地などを保護するための対策」について紹介している。また、「江河川整理を予見性を持って推進」と題する記事は、新興郡(音訳)において、以前から計画的に大雨等に備えるための河川の整備を進めてきたことを紹介・称賛している。

 これら一連の記事は、北朝鮮がいよいよ長雨の時期を迎えて、臨戦態勢を取っていることを示すものであろう。一方で、「労働新聞」は、昨日に続き本日も「現防疫危機を打開する上で党組織の役割をより高めよう」と題する論説や関連記事を掲載して、コロナ対策の徹底を求めている。自然災害と伝染病の脅威が「前門の虎、後門の狼」のように迫っている印象がある。それらを無事乗り切って70日後に迫った10月10日、党創建75周年を盛大に祝賀できるか、なかなか厳しい局面を迎えているとみられる。