rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

7月27日 社説「党中央の指示と布置(?)を正確に執行し醸成された防疫危機を打開しよう」

 

 標記社説は、「党中央委員会政治局非常拡大会議の決定を徹底して貫徹しよう!」との共通題目の下、同会議で決定されたコロナ対策強化の取組みを伝える数件の記事の一つである。他には「非常な覚悟、固い決意」と題して政治、司法など分野での防疫活動への取組み・統制の強化を伝える記事、「最大非常体系に一斉に突入! 各級非常防疫指揮部において」と題する記事などがある。

 社説は、「我が境内に悪性ウイルスが流入したと見ることができる危険な事態を先制的な超強力対策によって制圧し、人民の安寧と国家の安全を鉄桶のごとく保衛しよう」との会議決定の狙いを強調し、「誰もが中央非常防疫指揮部の指揮と統制に無条件で服従する強い規律を立て」ることを求めるとともに、「最大非常体系の要求に応じず、걸써대하는(無視する、の意か?)対象を法的に厳しく処理しなければならない」としている。このような主張の背景には、こういう状況でも、特権的立場や地位などを楯に防疫規律に従わない現象があるのであろうか。

 ところで、そもそもの発端となった「違法帰郷者」のコロナ感染の有無はいまだ明確にされず、「疑い」のまま、対策だけが「先制的」に進められている。医学的に確定するのにそれほど時間がかかるのであろうか。やや疑念の持たれるところではある。

 なお、本日の「労働新聞」には社説が2本掲載されている。極めて異例といえよう。もう一つは、「祖国解放戦勝記念日」にちなむもので、これが本来予定されていたもので、標記社説は、25日の会議開催を受け、急遽、掲載が決まったものであろう。

 戦勝記念日関連の社説については、本日開催されていると思われる「老兵大会」の開催状況などと併せて、明日紹介させていただくつもりである。