rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年1月28日 社説「皆が必勝の信念高く新たな5カ年計画遂行に総邁進しよう」

 

 連日代わり映えしない内容だが、北朝鮮メディアは、このところ、このようなテーマで埋め尽くされているといっても過言でない。

 標記社説は、新5カ年計画の実現に向けた課題を7点あげている。すなわち、①「必ず遂行できるとの確信を持つ」こと、②「計画遂行のための具体的な課題と方途を探して、違えることなく執行するとの革命的気風を発揮」すること、③「自力更生、自給自足」を重視すること、④科学技術を活用すること、⑤幹部が「計画遂行のための戦闘組織と指揮を能動的に、迫力を持って実行」すること、⑥党員が「核心、決死隊となる」こと、⑦「各級党組織の戦闘的機能と役割を最大に高める」こと、である。

 このうち、①は取組みの前提であり、⑤,⑥、⑦はこの種論説の定番的主張であるので、実質的に今次計画取組みに際しての特徴として実質的意味があるのは、②、③、④といえよう。

 まず、③については、「自力更生、自給自足は、新たな国家経済発展5カ年計画の基本種子、主題である」との定式化した表現を述べたあと、それを「国家的な自力更生、計画的な自力更生、科学的な自力更生として」追求すべきことを主張している。これは、個別企業ごとの即時的努力だけに頼るのではなく、国家全体の経済構造を輸出入に依存しない形へと計画的に改造していくとの方針を示したものと考えられる。

 また、④については、科学技術を「社会主義建設をけん引する機関車であり、国家経済の主たる発展動力である」とした上で、「(国内の)すべての部門、すべての単位においては、新たな5カ年計画期間に達成すべき科学技術発展目標を現実的に立て、一つ一つ実質的に執行していかなければならない」としている。前述の「科学的な自力更生」との表現にもつながるが、従前は外部に依存していた原料・資材などの国産化ないし国内で調達可能な物資を代替原料とする生産工程の創出などが重要な課題となっていると考えられる。

 ②については、昨日の社説とも重複するが、そうした③,④などの目標を実現するための具体的かつ現実的な計画策定とその実践、とりわけ、何らかの困難が生じた場合でも、それを粘り強く克服することを求めたものと考えられる。

 新5カ年計画が目指すところは、概ね以上のようなところと考えて間違いないと思う。