rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年6月18日 党中央委第8期第3回全員会議3日目(17日)の状況を報道

 

 本日の「労働新聞」の報じるところによる標記状況は、次のとおりであった。なお、同会議は更に継続とのことである。

 まず、16日に続き分科ごとの「研究・協議」が行われた後、その結果を踏まえて、1⃣本年示達された主要国家政策課題を徹底して執行するための追加的な対策的問題を反映した決定書、2⃣全党、全国、全民が今年の農事に力を集中し穀物生産計画を無条件完遂することに関する決定書、を採択。

 次に、第4議題(対外政策)に関し、金正恩が「対外的環境について解説し、評価」。「特に新たなに出帆した米国政府の我が共和国に対する政策動向を詳細に分析、今後の対米関係において堅持すべき適切な戦略戦術的対応と活動方向を明示」し、「対話にも対決にもともに準備し・・特に対決には隙間なく準備」すべきことを強調したとされる。ここまでは、従前の原則的姿勢を繰り返したものともいえよう。

 ただし、同時に、「我が国家の戦略的地位と能動的役割をより高め、有利な外部環境を主導的に準備」するとともに、「時々刻々変化する状況に鋭敏で機敏に反応対応し、朝鮮半島情勢を安定的に管理していくことに注力」との姿勢を表明したとされる。この部分については、積極的・柔軟(振幅の大きいという意味)な対外姿勢を示唆とも考えられ、その意味が注目される。

 いずれにせよ、具体的な対応方針や提案などは明示されておらず、今後の出方を引き続き注視していくしかない。

 その後、第5議題として人民生活の安定向上策を討議。ここでも金正恩が「人民生活実態資料とその改善のための実践的な対策について具体的に言及」し、「人民の福利のためすべてをみな捧げて闘争」することを訴えた上で、自ら署名した「特別命令書」を発令したとされる。

 引き続き、第6議題として「育児政策の改善強化」が取り上げられ、やはり金正恩が育児政策の重要性を強調、特に「子供の成長発育には託児所、幼稚園時期が最も重要」として、「国家的負担により全国の(当該年齢の)子供に乳製品をはじめとした栄養食品を供給」するとの方針を示し、「その実行のための具体的な課題と方途を提起」したとされる。

 報道は、「会議は継続される」と報じており、おそらく本日18日に残された議題である「組織問題」を処理した後、金正恩が「結語」的なものを述べて閉幕するのではないかと思われる。