rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年11月3日 10月分人民経済計画遂行状況を報道(加筆版)

 

 本日の「労働新聞」は、「今年の戦闘の勝利的結束のためより大きな奮発力発揮 人民経済諸部門と単位において10月生産計画完遂」と題する記事を掲載した。

 例によって結論を先に述べると、見出しとは裏腹に、「計画完遂」を報じられたのは、部門全体としては機械工業部門だけであり、他の部門は個別の企業所に関する報道にとどまっている。以下、部門ごとに「計画遂行、完遂」の表現が用いられた企業を中心に紹介する。

  • 金属工業部門:千里馬製鋼連合企業所「鋼鉄、圧延鋼材生産計画を遂行」、黄海製鉄連合企業所「銑鉄、圧延鋼材生産計画を完遂」
  • 化学工業部門:興南肥料連合企業所「肥料生産計画を遂行」、2・8ビナロン連合企業所と順川化学連合企業をはじめとした諸単位「重要指標別生産計画を完遂」
  • 電力工業部門:「計画完遂、遂行」表現なし(「生産で前進」「生産を増加」「多くの電力を生産」など)
  • 石炭工業部門:「計画完遂、遂行」表現なし(「顕著な実績を記録」「生産突撃戦を展開」「力強く前進」など)
  • 鉄道運輸部門:「計画完遂、遂行」表現なし(「重要物動輸送を責任を持って実行」「輸送計画を完遂するための粘り強い闘争を展開」「物動輸送量を増加」など)
  • 機械工業部門:「10月人民経済計画を完遂した」(以下言及された企業:大安重機械連合企業所、羅南炭鉱機械連合企業所、平壌326電線総合工場と安州ポンプ工場、城川江電機工場、咸興青年電機器具工場、亀城工作機械工場、平壌ベアリング工場をはじめとした諸単位)
  • セメント生産:「各地セメント生産単位において10月人民経済計画を完遂」(以下言及された企業:祥原セメント連合企業所、順川セメント連合企業所、川内セメント工場と勝湖里セメント工場をはじめとした諸単位)

 なお、軽工業部門については言及がない。後日、別途に報道されるのではないだろうか。

以下の部分加筆

 11月2日付けの韓国「SPN」電子版記事によると、同日の朝鮮中央通信が「電力工業省が10月の電力生産計画を完遂した」と報じたとしている。ただし、私は、朝鮮中央通信のホームページでは当該記事を確認できていない。また、そのことは、前述のとおり「労働新聞」の記事にも反映されておらず、信憑性については留保せざるを得ない。