rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年1月14日 米国の制裁措置に反発

 

 北朝鮮外務省代弁人(スポークスマン)は、米国が北朝鮮の先般来のミサイル連続発射に対し制裁措置(ミサイル開発関係者等に対する金融制裁)を発動したことを強く批判する「談話」を本日付けで発表した。

 同談話は、「我々の合法的な自衛権行使を問題視することは明白な挑発となり、強盗的論理である」と主張し、そうした行為は、「現米行政府(バイデン政権)が言葉では外交と対話を騒ぎ立てるが、実際においては、対朝鮮孤立圧殺政策に執拗に執着していることを示す」との見方を示している。

 その上で、最後に米国が「こうした式の対決的な姿勢を取っていくならば、我々はより強力で明確に反応せざるをえない」と結んでいる。

 報道では、北朝鮮は、本日午後、2発の弾道ミサイルを発射した由である。当面気になるのは、それが上記談話でいう「より強力で明確な反応」としてなされたものであるのかという点である。とりあえずの見方としては、「対決的な姿勢を取っていくならば」との談話の表現は、いわば条件付きでの強硬対応発動を予告するものであり、今次制裁に対する対抗措置の発動を宣言するものではないと理解でき、両者に直接の関係はないとの印象を受けている。ただ、それを的確に判断するためには、明日の同発射に関する北朝鮮報道をまたねばならないであろう。