2022年10月6日 外務省公告文を発表(10月7日記)
北朝鮮外務省は、10月6日付けで「公告文」なるものを発表した。その主な内容は、次のとおりである。
- 「米国と一部追従国家が、朝鮮半島の軍事的緊張を高潮させる『韓』米連合訓練に対する我が軍隊の当然の対応行動措置を国連安全保障理事会に不当に持ち込んだことに対し強力に糾弾する」
- 「我々は、米国が朝鮮半島水域に航空母艦打撃集団を再度引き入れ朝鮮半島と周辺地域の情勢安定に厳重な脅威を醸成していることについて注視している」
北朝鮮は、このところミサイルを連続的に発射しつつも、それに関する直接的な報道は一切行わず、その狙いなどが注目されてきたところである。そうした中で発表された同「公告文」は、そうしたミサイル発射が米韓連合訓練に対する「対応行動措置」であったことを間接的に表明したものといえる。
また、北朝鮮がとりわけ、米空母の日本海進入に対して脅威感を募らせていることもうかがえる。
なお、同「公告文」は、そうした脅威に対して、「注視」を表明するにとどめ、それ以上の対抗措置などについての言及は行っていないが、それは、「外務省」としての立場に基づくものであろう。
北朝鮮としては、「注視」だけにとどまるものでないことは、同「公告文」発表後の一連の軍事行動からも明らかである。
そうした北朝鮮と韓・米・日の相互刺激がどこまでエスカレートしていくのか、予測しがたいが、決して楽観できる状況でないことは明らかであろう。
なお、一連の北朝鮮のミサイル発射の概況は、次のとおりである。
※ データは、韓国軍の発表を基調。ただし、( )内は、日本防衛省発表。
日付け | 時刻 | 場所 | 発数 | 飛距離 | 高度 | 速度 | 機種 | 備考 |
9月25日 | 6:35 | 平安北道泰川 | 1 | 600 | 60 | M5 | KN23 | ミサイル発射6/5以来 |
9月28日 | 18:10~20 | 平壌市順安 | 2 | 360 | 30 | M6 | KN23 | 舞水端里沖に飛行 |
9月29日 | 20:48~57 | 平安南道順川 | 2 | 350 | 50 | KN25 | 舞水端里沖に飛行 | |
10月1日 | 6:45~7:03 | 平壌市順安 | 2 | 350 | 30 | M6 | 同上? | |
10月4日 | 7:23 | 慈江道舞坪里 | 1 | 4500 (4600) | 970 (1000) | M17 | 火星12 | 同型発射1/30以来 |
10月6日 | 6:01~23 | 平壌市三石 | 2 | ①350,②800 | ①80 ②60 | ①M5②M6 | ①KN25 ②KN23 | (2発目は変則軌道可能性) |