rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年1月30日 最高人民会議常任委員会第14期第19回全員会議開催

 

 本日の「労働新聞」は、1月28日に標記会議が開催されたことを報じる朝鮮中央通信の記事を掲載した。

 同記事によると、同会議では、「市・郡建設セメント保障法」の制定、「国旗法」及び「貿易法」の修正が行われたほか、中央裁判所判事(複数)の召喚(解任)・補選が行われた(人名には言及なし)。

 このうち、「市・郡建設セメント保障法」は、「市・郡の自立的で多角的な発展を推動し、農村特有の文化発展を成し遂げようとの党と国家の政策的要求に即してセメント保障(安定的に供給の意味)計画を立て、生産及び供給、利用体系を整然と確立し、セメントの質を高めるための科学研究及び品質監督事業を強化する」ものとされる。先の党中央委員会第8期第4回全員会議において、金正恩が「すべての市、郡に農村建設に必要なセメントを優先的に前進供給する」としたことを受け、その実践策を法律として具体的に示したものである。

 また、「国旗法」改正では、「国旗の使用と国旗掲揚式を規定した部分の内容がより細分化、具体化され」たという。近年の各種行事において国旗掲揚の比重が増大している印象があるが、そうした傾向と軌を一にするものであり、「我が国家第一主義」スローガンなどと同様、北朝鮮を単位とした「国家意識」高揚を図る狙いの反映といえよう。

 「貿易法」改正では、「すべての貿易活動を国家経済の自立的発展を図る方向において拡大発展させ、貿易事業に対する中央集権的、統一的指導と統制をより強化するための条項が補充」されたという。最近の貿易活動再開の動きを踏まえて、この際、貿易活動に対する中央の統制・掌握を強めようとするものであろう。これも、近年の経済運営における統制強化の傾向を反映したものといえよう。

 余談だが、今朝またミサイル発射があったそうで、明日の北朝鮮の報道が楽しみである。