rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年2月14日 第2回初級党秘書大会の今月下旬開催を決定

 

 本日の「労働新聞」は、「朝鮮労働党第2回初級党秘書大会が招集される」と題する記事を掲載し、同大会が「2月下旬、首都平壌で開催されることになる」と報じた。

 同記事によると、同大会の招集は、「第1回全党初級党委員長大会の課題執行状況を総括し、我々式社会主義が全面的発展段階へと移行する新時代に即して党の基礎組織であり戦闘単位である初級党組織の戦闘力を非常に高め党第8回大会が決定した変革的課題を徹底して貫徹する」ことを目的として決定されたという。

 その上で、同大会の意義について、「全党に敬愛する金正恩同志の唯一的領導体系を確立し、党の組織思想的基礎と革命隊伍の一心団結をよりしっかりと固め、偉大な我が国家の富強発展のための全人民的な総進軍を加速する上で意義深い契機となるであろう」と主張している。

 「初級党」とは、朝鮮労働党において、各級の党委員会の下に、いくつかの党細胞を束ねる形で設置される組織であり、その責任者が「初級党秘書」である(以前は初級党委員長と呼ばれた)。例えば、軍隊で言えば、師団、連隊レベルには党委員会が置かれ、大隊レベルに初級党が置かれて、傘下の各中隊に設置された党細胞を束ねているようである。

 今次大会の開催は、2016年12月の第1回大会以来5年2か月ぶりということになる。昨年4月に開催の第6回細胞秘書大会に続き、党の基層部分の引き締め・強化を狙いとするものと考えられるが、なかでも「金正恩同志の唯一的領導体系」の確立を強調している点が注目される。

 この表現は、最近どこかで見たような気もするのだが(どこかは思いだせない)、いずれにせよ、よく考えてみると、そもそもは、「党(中央)の唯一的領導体系」であったはずで、いつから「金正恩同志の・・」になったのか、にわかに初出を確認できないが検討する価値のある問題のように思われる。

 我田引水の推測であるが、昨年来本ブログで指摘してきた同人の指導・方針に対する懐疑の拡散が存在するとすれば、それへの対応として用いられるようになった表現とも考えられるのではないだろうか。