rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年2月13日 平壌市内住宅建設第2期工事に着工

 

 本日の「労働新聞」は、2月12日、平壌市内の「華城(音訳)地区1万世帯住宅建設着工式」が開催され、出席した金正恩が演説したことを報じるとともに、「華城地区の天地開闢により首都建設の大繁栄期を一層輝かそう」と題する同演説の全文を掲載した。

 これは、党8回大会で打ち出された「5年間で平壌市内に5万世帯分の住宅を建設」との方針に基づき、昨年3月に着工式が行われた松新、松化地区(音訳)での1万世帯住宅建設工事に続く第2期工事への着工を意味するものである。

 同演説では、同地区建設を「今年建設部門の前に提起された最も主たる課題の一つ」と位置付けるのみならず、「華城地区には、今後3年内外で数万世帯の住宅と公共建物、奉仕施設(商業、娯楽施設等の意味)が占める雄壮な街区が建てられ、新たな住民行政区域が生まれることになる」との展望を示している。

 一方、昨年着工した松新、松化地区については、「迫りくる太陽節(4月15日)には、多数の首都市民が新街区の新居に入居する嬉しい姿を見ることができるようになった」として、完工予定を示した。昨年中に完工との予定は果たせなかったものの、何とかその目途がついたということであろう。まさにそれを前提にして、「次の段階の1万世帯住宅建設を用意周到に決心し、準備することができ、今日は、・・(この)着工式を行うことができるようになった」と説明している。

 その上で、同地区建設に対しては、「当面した工事日程を間に合わせることだけに重きを置く近視眼的な観点を一掃し、建設部門を展望的に発展させるための科学的な構想と方案を着実に実行していく」ことを求めている。具体的には、「建設部門の物質技術的土台を質量的に強化する事業と建材の多様化と国産化を実現する事業、建設作業の機械化比重を高め先進的な建設工法と建設技術を拡大導入すること」などである。

 そうした努力を積み重ねることにより、「1年1年、1万世帯づつ街区が増えるごとに、首都の面貌、国家の姿が変わるだけでなく、我々の建設力量がより成長強化されなければならず、建設方式でも新たに前進し発展するものがなければなりません」として、同地区建設を通じた建設部門の発展を強く促している。

 あわせて、「今日、我々の大建設前線は、・・全国的版図を包括している」ことを指摘し、「社会主義建設の全面的発展を強力にけん引することになるこのすべての建設対象の中で(華城地区建設が)・・最先頭に立つべき基本戦区」であるとして、全国各地の「すべての建設戦区の見本」になることを訴えている。

 ちなみに、金正恩は、8日から開催されている「第2回建設部門幹部大講習会」の参加者にあて長文の書簡を送付し、建設部門において取り組むべき課題を包括的に訴えている。同書簡の内容については、同講習が終了後にまとめて紹介しようと考えていたのだが、同書簡及び講習の開催状況についての報道は、大々的に行われており、金正恩の建設部門に対する思い入れが非常に強いことだけは先に指摘しておきたい。