rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年9月9日 速報:最高人民会議で核ドクトリンを法制化

 

 9月8日の最高人民会議第14期第7回会議2日目では、金正恩が施政演説を行うとともに、「朝鮮民主主義人民共和国核武力政策について」を採択し、核兵器の使用基準など核ドクトリンを明確化かつ法制化したという。

 その狙いは、いうまでもなく核抑止力の確実化であり、とりわけ国家指揮部や核施設に対する攻撃の恐れなども核の使用範囲に含まれることを明示し、指導部に対する「斬首作戦」や核施設・兵器に対する「外科手術的攻撃」などを予防する意味合いが強いと考えられる。

 本来であれば、戦術核弾頭の開発を確認する核実験が必要なのであろうが、それを契機(名目)に韓国・米国・日本が軍事態勢を大幅に強化する構えを示していることから、そうした名目をみすみす与えることを避けるための便法(代替措置)として、核ドクトリンの法制化という措置を選択したのであろう。よく考えたものと感心する。

  なお、人事関係ではたいした動きはなかったようである。いずれにせよ、詳報を本日夜までに改めて掲載したい。