rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年10月20日 内閣全員会議拡大会議を開催

 

 本日の「労働新聞」は、標記会議が19日、金徳訓総理の「指導」の下、開催されたことを報じる朝鮮中央通信の記事を掲載した。同会議の開催概況は、次のとおり。

  • 開催形式:コロナ発生後定着の感があった「画像会議」との表現がない。その収束を受けて、本来の対面形式に戻された可能性が高い。
  • 参加者:参加者:朴正根、楊勝浩副総理をはじめとする内閣メンバー。内閣直属機関、省機関幹部、道、市、郡人民委員会委員長、農業指導機関、主要工場、企業所幹部が傍聴(従前と同じ)
  • 議題:①3・4分期人民経済計画遂行状況を総括し、②金正恩の施政演説で提起された課題を徹底して貫徹して本年の闘争を成果的に結束する上で提起される対策的問題を討議
  • 報告(朴正根副総理・国家計画委委員長):①「あい路と難関を自力更生の革命精神、堅忍不抜の意志で突破し成果を収めたことに言及」「科学技術の力、人材の力を積極的に発動し、新たな科学技術成果を生産と経営活動に広く導入する事業が活発に展開された」「発露された一部の偏向を分析、総括しつつ、・・要領主義、無責任をはじめとした誤った現象との闘争(強化)」、②「収めた成果と経験を積極的に奨励・増幅することによって、今年の人民経済計画を結束するための闘争でより大きな発展潜在力とするよう強調」
  • 討論(参加者不詳):「自らが負っている責任と任務をより深く自覚し・・本年を誇らしい成果で輝かす決意を披歴」
  • その他討議事項:「生産計画を無条件に遂行する問題」「ウォン単位消費基準を徹底して順守する問題」「計画思考状況総括において質的指標を重視する問題」など

 今次会議は、7月14日開催の前回会議から3か月ぶりに開催された、4半期ごとの恒例的なものであり、討議内容も全般的に従前と同様のものであったといえる(「画像」でなくなった点が唯一特徴的)。

 強いて内容面での注目点をあげると、第4四半期を迎えた割には、本年度計画の完遂に向けた意欲が希薄であることで、何としてでも目標達成といった姿勢が感じられない。既に諦めて予防線を張っているのか、あるいは、思いのほか実績が好調で余裕があるのか、判断に苦しむところである。後者は、普通に考えるとありえないとも言えるが、上述の「報告」も、どちらあかというと成果を中心に述べているようで、あながち否定できないのかもしれない。