rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年2月22日 評論「経済的自立は自主的な国家建設の物質的担保」

 

 標記評論は、昨日の本ブログで紹介した論説「自立の信念を百倍しよう」(20日付け掲載)の趣旨を特に経済面に焦点をあてて論じたもので、とりわけ国外からの「援助」受領の危険性を力説している。さわりの部分を抜粋して紹介したい。

  • 「歴史と現実が示してくれる教訓は何か。経済的自立こそ国の自主権守護であり、尊厳死守であるということである」
  • 「原料生産段階から完成品生産段階に至る生産循環が国家の範囲内において円満に実現され得ない奇形的な経済は、国の経済的需要を充足させることができないのはもちろん、世界的な経済波動に容易に巻き込まれることになる。他人の資本と力に依拠して経済が運用されれば、何時いかなる瞬間に崩壊するかもわからない」
  • 帝国主義者は、『援助』と『協力』の看板を掲げてあたかも自分たちの助けがなくては経済的困難を経ている国が危機から抜け出ることが出来ないかのように騒ぎ立てている。その内心は、まさに民族経済の警戒線を完全に崩し、その国を自分の原料原産地、販売市場にしようとするところにある。帝国主義者の『援助』は、一つを与えて十、百を奪うための略奪と隷属のわなであり、世界支配戦略実現のための道具である。帝国主義者は、『援助』を餌にして他国の経済命脈と利権を奪取し、経済発展を抑制し、隷属させている」
  • 「この『毒薬を塗った飴玉』を受け取って食べる方法で経済を打ち立てようとするのは、誤算である。他人のもの、他人の支援に依拠した経済発展は、一時的な成長や華麗な変身はもたらすことができても、持続的で計画的な発展は期待できない」

 「労働新聞」が、このような「自立」の正当性、「援助」や対外依存の危険性を繰り返し主張しているということは、何か具体的な「異説」に対抗するためのものなのか、そうではなく漠然とした予防的なものなのかは判然としないにせよ、指導部として、そうした説得が必要と判断しているためと見るべきであろう。