rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年10月2日 評論「自主意識を麻痺させる危険な毒素」

 

 標記評論は、「時代が変わり革命が前進するほどより透徹した反帝階級意識を帯びよう」とのサブタイトルの下、「帝国主義に対する幻想」の危険性を訴えるものである。

 まず、現状認識として、「現在、帝国主義者どもは、『援助』と『協力』、『平和』と『人道主義』を叫ぶ一方、『自由』と『福祉社会』を云々して資本主義社会の『物質的繁栄』に対して騒ぎ立てている」と主張している。

 そして、そうした宣伝に乗せられ、「帝国主義に対する幻想」を抱いた場合にもたらされる結果について、「まず政治において自主性を失うことになる」、「次に経済において自立性を失うことになる」、「また、自主的な思想意識と階級意識が曇ることになり、後には帝国主義の奴隷へと引きずり込まれる」と主張し、それぞれの例を適示している。

 その上で、「帝国主義者の思想文化的浸透策動に覚醒を持って対応し、断固として打倒しなければ、このように人々が精神道徳的に病み腐敗堕落の道を歩むことになり、後には国が亡ぶことになる」との警告を繰り返し、結びとしている。

 以上のような主張は、もちろん、これまで繰り返されてきたものではあるが、コロナ防疫措置の緩和に伴い対外交流の再開が見込まれることを踏まえて、「人道支援」の動きなどに対する警戒を改めて喚起する狙いが込められているとも考えられる。