rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年8月21日 評論「敬愛する総秘書同志の革命思想は主体朝鮮の輝かしい前途を照らす」

 

 標記評論は、「敬愛する総秘書同志の革命思想が指し示す道に沿って進むまさにそこに我が主体朝鮮の輝かしい今日があり、光濶な未来があるというのが我が人民の揺らぐことのない信念である」とした上で、「敬愛する総秘書同志の革命思想」の特徴を列挙している。

 まず挙げるのは、「徹頭徹尾、自主で一貫している」ことである。ここでは、「経済建設と核武力建設を並進させることについての路線」をはじめ、「社会主義経済建設に総力を集中する路線」、「主体的力、内的動力をくまなく強化する路線」(正面突破戦路線を指すと思われる)などが言及されている。

 次に、「人民大衆の要求と利益を実現するための最も正しい道を明らかにしてくれる」ことを挙げる。ここでは、「金日成金正日主義の本質を人民大衆第一主義として定式化され、主体の人民観、人民哲学の根本核は人民に対する滅私服務であるとの深奥な思想」を示したことなどがあげられる。

 更に、「子孫万代の繁栄のための最も鮮明な道」であり、「我が革命の50年、100年の前途を輝かしく明らかにしてくれる大百科全書である」とも主張している。その例としては、「農村を主体思想化し物質的に富裕にするための思想、国土管理事業を活発に展開し道、市、郡を人民の楽園として整備することについての思想」などをあげている。

 「金正恩同志の革命思想」ないし「総秘書同志の革命思想」との言葉が出現して久しいが、同評論は、その具体的内容を比較的整理して説明したものといえよう。同評論を読むと、金正恩も執権10年を経て、それなりに独自の「思想理論」を蓄積してきたことが改めて実感される。もちろん、それが本当に「輝かしい前途」を指し示すのか、あるいは、塗炭にまみれた迷路なのかは、「神のみぞ知る」ことであろう。