rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年8月22日 政論「卓越した首領が我々を導かれる」

 

 標記政論は、冒頭で、「我々は、今、建国以来最も厳しい時期を過ごしている」、「不安で混乱に満ちた今日の世界は、財富と力の対決である以前に理念と進路の対決である」との現状認識を述べた上で、そうした中での金正恩の思想・政策の正当性・成果を主張し、その領導に従うべきことを訴えたものである。

 以下、政論の例によって論旨を追うことはあきらめ、金正恩を「首領」と称した部分だけ、いくつか抽出した。

 「敬愛する金正恩同志、その方は、偉大な思想理論の英才、天才的な戦略家、非凡な領導芸術と実力を完璧に体現された政治の巨匠、絶対的な権威と強大な力を帯びられた現時代の最も傑出した偉人であられる。その方は、人類の正義と心理の最高代表者であられ、自主的人民の闘争進路を指し示して下さり、その航路の上に百戦百勝の歴史だけを織り込んでいかれる革命の太陽、人民の卓越した首領であられる」

 「敬愛する金正恩同志の天才性と非凡性は、卓越した首領として帯びられた偉大な天稟であり、それは、人類の頭脳と知性の高さをはるかに超えている。」

 「人民大衆第一主義は、偉大な金正恩同志の革命思想の核をなしており、まさにここに我が首領の政治理論、政治哲学が集約されており、そのすべての深遠さと独創性、不滅の生命力がある」

 「偉大な首領に限りなく忠実に忠実に、さらに忠実であろう、これが敬愛する金正恩同志を仰ぎ爆発する千万人民の盤石不動の革命信条である。偉大な首領が明らかにして下さる道が人民の進路であるならば、人民が進む道は、ほかでもなくひたすら一心で偉大な首領だけに就き従う忠誠の一路、栄光の一路である」

 「偉大な我が首領であらせられる金正恩同志万歳!」

 称賛表現の多様さ、大仰さには、よくぞここまでと感嘆せざるをえない。筆者の董泰官(労働新聞論説委員)は、代表的な政論執筆者の一人であり、先般の豪華住宅街竣工に際し、金正恩から直接、住居を与えられるとの栄光に浴した。その御恩に報いるべく賛辞の限りを尽くしたのであろう。よく頑張りました。