rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年12月14日 金正恩執権10年を回顧する「政論」の連載を開始

 

 本日の「労働新聞」は、「主体革命偉業は永遠に乗勝長躯するであろう 敬愛する金正恩同志の領導にしたがって力強く前進してきた聖なる10年の革命旅程に謹んでこの文章を捧げる」と題する長文の政論を掲載した。

 ただし、同政論は、簡単な前書きに続く「第1編 将軍様と共に来た勝利の道」だけで終わっている。今後、第2編、第3編・・が続けて掲載されるのであろう。とりあえず本日掲載の第1編のさわりだけ簡略に紹介したい。

 まず、「永遠の我々の太陽、永遠の我々の首領であられる偉大な金正日同志は、昨日も今日も人民の心臓の中にいらっしゃり、我々を限りない勝利と栄光へと導いておられる」として、金正日の永久性(これが第1編の主題であろう)を訴える。

 その上で、「敬愛する総秘書金正恩)同志は、自らの心の中にいらっしゃる偉大な将軍様といつも最も熱い心臓の対話を交えつつ祖国と革命を導いてこられ、我が人民は絶世の偉人たちを共に奉じて10年の革命路程を粘り強く続けてきた」として、金正日の遺志が金正恩によって継承・体現されていることを主張する。

 そのような主張は、「10年間、自らの事業を総括してみると偉大な首領様(金日成)と偉大な将軍様金正日)が開いて下さった主体の一路にしたがって歩んできた日々であったということができると、『永遠に一路を行かん』、まさにこれが自身の信念であり意志であるとおっしゃられた敬愛する総秘書同志」の発言を通じても繰り返されている。

 なお、こうした主張の基礎となっているのは、「革命というものは、首領によって開拓され、首領の思想と領導を代を継いで実現していく聖なる偉業である」という北朝鮮独自の考え方(首領論)であろう。

 結局、第1編は、金正日の遺志継承という点から金正恩の治世実績を称賛したものといえよう。次は、どのような視点からそれを行うのであろうか。続編がまたれる。