rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年12月13日 論説「人民の絶対的な信頼は朝鮮労働党の不可抗力的力である」

 

 標記論説の「不可抗力的力」の意味は定かでないが、要するに、党に対する「人民の信頼」の重要性を強調したものである。

 冒頭、「党を母と呼び、党の構想と決心をそれが何であれ支持し奉じる忠実な人民があるが故に我が党はいかなる嶮山も躊躇なく超えいかなる大業も立派に実現していくのである」との主張に続けて、人民の党に対する「絶対的な信頼」が成果の源泉となっている旨を縷々敷衍している。

 その上で、最後に「党を限りなく信頼し従う我が人民の純潔な心を大切にし、守っていく上で党幹部の役割が非常に重要である」として、幹部に対し、「党を信じ従う我が人民の心を大切にし、人民の尊厳高く幸福な生活のために一心全力し、彼らの心臓の中に朝鮮労働党万歳の声が高く轟くようにする」ことに努め、「人民のために滅私服務」することを訴えている。

 以上のような同論説の狙いは、本論である「人民の信頼」の重要性の論証というよりは、そうした「信頼」を維持するために必要な幹部の「滅私服務」を訴えることにあると思われる。経済分野においても、このところ、人民生活に直接関係する食料品生産、住宅建設などの成果が殊更喧伝されているように思えるが、それもやはり「住民の信頼」確保の狙いによるものであろう。そうした狙いが果たしてどの程度奏功しているのか、関心がもたれる。